もどる

ユニティ教会石膏模型

縮尺:1/50、建立年代:1906年、設計:Frank Lloyd Wright、購入:大正12年(1923)納入:佐藤八百

 この建物は、二十世紀初頭、フランク・ロイド・ライトによって設計され、シカゴ郊外のオークパークに建てられたユニタリアン教徒のための教会堂Unity Templeである。
 礼拝堂と集会室の二つの空間が、玄関ホールで連結された単純な平面を持ち、外観は古典的である。礼拝堂では、信者は説教壇・祭壇の横から堂内に入り、礼拝後は牧師に背を向けることなく退出するという独特の構成をとる。
 建設費の制約から、現場打ちの鉄筋コンクリートで造られ、なおかつそれがそのまま外装材にもなっている。同じ理由から礼拝堂の側面は四方とも同じ形とされた。コンクリートの壁体と柱の上部にはステンドグラス窓が設けられ、交差する梁の間には琥珀色の石材の天窓がはめ込まれて、壁面や調度の直線をモチーフにした装飾とあいまって柔らかな光に満ちた空間が創りだされている。
 20世紀になってコンクリートやガラスなどの新しい素材によって、柱梁からなく古い建築形態の秩序が克服された。ユニティ教会はライトの建築表現手法の中でも、それが明確に確立された作品といえよう。