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附属演習林

[演習林設立以来の経緯]

 本学演習林は、帝国大学の「基本財産」および「維持資金」であるとともに、林学に関する研究・教育の場として機能することを当初の目的として設置された。農学部が設置された翌年の大正13年に、農学部附属演習林としての組織が整備され、本学北部構内に本部試験地(実験苗圃)が設置された。大正15年には、和歌山演習林と上賀茂試験地が設置され、昭和17年には徳山砂防演習地(昭和6年設置)が演習林徳山試験地として編入された。昭和24年には北海道演習林標茶区が、翌年には同白糠区と白浜試験地が設置され、現在の3演習林(芦生、北海道、和歌山)、4試験地(本部、上賀茂、白浜、徳山)の体制となった。

[所蔵標本]

 上記の演習林は研究の場であると同時に財産林的扱いを受けてきたため、木材生産や育林などの施業および林道の開設や伐木集材などが盛んに行われてきた。そのため各演習林には、材鑑などの植物標本と並んで、林業関係の歴史的道具や写真が数多く残されている。図面類では、当時の設計技術水準を示す林道関係の設計図面や、海外の旧演習林の地形図など、貴重な資料が現存している。これらの標本はすべて未整理であるが合計約900点を所蔵している。

  • 工作機械、測定器、試験機、計算機

       歴史的林業作業用具:100点
       歴史的調査用具:50点

  • 設計図面等

       地形図等歴史的図面:200点
       写真:500点
       文書:50点

[重要な標本]

 地形図には当時の地名などが記されており歴史的価値が高い。設計図面も当時の技術水準やその発展経過を示すものであり、貴重な資料である。また造林地図面や写真、文書は森林の変遷を知る上で重要であり、現在も森林の分析に使用されている。
 特殊なものでは、戦中に鉄材料不足のために制作された木製戦闘機のプロペラ2枚がある(本体は火災のため焼失)。