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旋 盤



旋盤:池貝製、ベルト駆動、8呎(フィート)、1926年(大正12年) 8月4日購入、1,930円


 我が国の産業革命は明治20~30年代に進行したが、工作機械自体は最初はオランダ、フランス、次いでイギリス、アメリカ、ドイツから輸入されたものであった。一方でほぼこの頃に国内零細規模の機械メーカーの中に外国製機械を模作しながら工作機械の製造を開始するものが現れ、池貝鉄工所は若山鉄工所とともにその代表であった(1)。池貝は1889年に池貝庄太郎によって創設され、国産旋盤第1号機を完成させた(2)。
 明治・大正時代の工作機械メーカーは職人がその担い手であり、きわめて小規模であった。大企業の中から工機部門が独立して工作機械メーカーとなる例が多く起こったのは昭和10年代になってからである(1)。

(国立科学博物館蔵)

文献:
(1) 一寸木俊昭、産業界シリーズ67 工作機械業界、(株)教育社、(1978), pp42-43.
(2) ダイヤモンド社編、ポケット社史 池貝鉄工、ダイヤモンド社、(1969), p.7.