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ボール盤



ボール盤:遠州機械株式会社製、直立型、1958年(昭和33年) 2月26日購入、69,400円


 1920年に浜松市で鈴木政次郎によって創設された鈴政式織機(株)が遠州機械(株)の始まりである。1991年に現社名のエンシュウ(株)に変更された。社史(1)(2)によると、1941年に遠州機械(株)、1945年に遠州織機(株)、そして1960年に遠州製作(株)へと商号変更されている。したがって購入年の1958年は遠州織機(株)のはずであるが機械に附されたラベルには「遠州機械株式会社 精密機械製作部」と記されている。
 終戦直後には、戦時中に生産した工作機械を売りつないで売上高のほとんどを計上した時期があり(3)、その後もそのようなことは続き、このボール盤も1941年~1945年に製造されたものが戦後かなり経ってから売りに出された可能性が考えられる。
 [(3)の文献を送っていただいた川上顕治郎教授(多摩美術大学)に謝意を表します。]

(国立科学博物館蔵)

文献:
(1) ダイヤモンド社編、ポケット社史 遠州製作、ダイヤモンド社、(1970)、巻末.
(2) エンシュウ株式会社ホームページ - 会社の歩み -
http://www.enshu.co.jp/enshu/history/history.html, (2002).
(3) エンシュウ株式会社、エンシュウ80年史、(2000), pp.100-101.