平成14年度特別企画展

近代日本を拓いた物理実験機器

- 三高コレクションと物理学教科書から探る -


期  間:平成14年10月2日(水) - 12月27日(金)
    (月・火曜日休館)
開館時間:午前9時30分 - 午後4時30分
    (入館は午後4時まで)
会  場:第2企画展示室(南棟2階)


ごあいさつ

 総合博物館は平成13年6月に開館し、まだ歴史の浅い博物館です。しかし、当館は、京都大学に保存されている貴重な学術標本類を広く社会に公開することを特に重視し、展示に力を入れてきました。今回は、総合人間学部で所蔵されていた物理実験機器をもとに、企画展示「近代日本を拓いた物理実験機器」を開催しました。
 総合人間学部は、明治2年創設の舎密局、明治27年の第三高等学校を前身としており、非常に深い歴史を持っております。同学部に保存されていた実験機器は、京都大学及び近代日本を物語る貴重な歴史資料です。これらの資料を観覧し、歴史をたどる楽しさを味わっていただければ幸いです。

京都大学総合博物館長  瀬戸口烈司

物理実験機器コレクションから歴史を読む

 明治2年の舎密局以来の長い歴史を持つ京都大学に、古い物理実験機器が多量に残されていました。これらの実験機器は、京都大学の物理研究と物理教育の歩みを物語るとともに、近代日本の科学と技術の成長過程を明らかにする貴重な歴史資料です。
 今日、日本の工場が海外に移転し、産業空洞化が進行しています。そうした中で、日本の科学と技術の源流にさかのぼって、今一度、今日の日本の科学技術を見直そうとする気運が高まってきています。京都大学の歴史的実験機器はまさに、そうした動きに答えるものです。
 この特別展示では、物理実験機器と物理学教科書をもとにして、近代日本における物理実験機器の製作と研究教育への利用の歴史をたどります。
 また、歴史的実験機器をもとに、今日ではもう行われなくなった物理実験の再現を行いました。それらの実験を体験し、当時の物理教育に思いをはせてください。

企画・プロデュース
大阪経済法科大学  教授永平幸雄
京都大学総合博物館 助教授城下荘平