京都大学総合博物館平成14年度後期公開講座

「 近代日本の科学・技術と京都大学の歴史 」

平成14年10月5日、12日に芝蘭開館で開催されました。


 本講座では,我が国が技術立国となったことのルーツを探るべく,どのように欧米の先進技術を取り入れ,あるいは,独自の技術開発を行ってきたのかということについて,三高および京都大学に関係する歴史をたどりながら明らかにしていく。その際,三高コレクション,工学部所蔵資料,京都大学大学文書館所蔵の資料等の貴重な歴史的資料をもとに明らかにしていく。そして最後の講義では現在の最先端の土木技術について事例を元にわかりやすく解説する。

10月 5日(午前の部) 第三高等学校,京都大学のユニークな歴史
大学文書館 助教授 西 山 伸

 第三高等学校,そして三高と密接な関係を持った京都大学は,いずれも他の教育機関とは異なるユニークな歴史をたどった。京都大学に保存されている歴史資料を使って,その制度的変遷を追い,両校が近代日本において果たした役割について紹介する。

10月 5日(午後の部) 近代日本と物理実験機器
大阪経済法科大学 教授 永 平 幸 雄

 旧制第三高等学校由来の歴史的な物理実験機器と明治大正期の物理学教科書・実験書をもとにして,近代日本における物理学研究・物理学教育の発展の歴史をたどる。

10月12日(午前の部) 京都大学の近代産業技術遺産
総合博物館 助教授 城 下 荘 平

 京都大学は我が国が欧米から近代産業技術を輸入し我が国のものとして定着させていった時期に創設された。 京大のみならず我が国の産業技術史にとっても貴重であるその頃の京大に残されている資料について紹介する。

10月12日(午後の部) ニューフロンティア スペース:地下空間の利用
大学院工学研究科 教授 大 西 有 三

 最新技術は,地下空間の利用を飛躍的に発展させ,都市の地下などに様々な構造物を作り出した。交通インフラとしてのトンネル,エネルギー関係の地下大空洞,防災施設などが構築されているので,事例を元にわかりやすく解説する。