京都大学ミュージアムコンサート2003開催

 平成15年12月11日夕刻、京都大学ミュージアムコンサート2003が開催された。今年で2回目を数える。昨年に引き続きヤマハ音楽振興会、(株)JEUGIAの共催を得ることができた。また、KBS京都には後援していただいた。
 前回は、試験的な意味合いもあり、関係者のみを招待したものであったが、総合博物館の展示の精神である自然・文化・生命のテーマと見事に共鳴した内容は感銘深いものだった。そして、招待者からは誰でも参加できる開かれたコンサートをまた開催して欲しいとの要望が強くだされていた。  今回は事務方が自ら大学周辺の自治会にご挨拶に出向いて住民の皆さんの参加をお願いしたり、館にチラシを置いて来館者からも参加を募るなどの努力をした。その結果、昨年を上回る約200名の聴衆にお集まりいただけた。
 コンサートの内容も、昨年同様充実したものだった。京都市立上賀茂小学校5年の野村光平君作のバッハの再来を彷彿とさせる荘厳な「大宮殿の音楽会」という曲で始まった。つづいて、夢のある曲、あるいは先の見えぬ現代の不安をテーマとした曲、さらには総合博物館をテーマにしたいくつかの曲が演奏された。そして、最後に山口県岩国市立麻里布中学校1年の栗山瑞帆さんの作曲した「ふるさと」が京都大学音楽研究会、ハイマート合唱団有志の演奏、コーラスを背景に歌われた。演奏の後の拍手はコンサートの成功を如実に語った。また、閉会の挨拶をいただいた瀬戸口烈司前館長も来年以降の開催継続を強く希望された。
 コンサートの実現に当たって、本学側では本間政雄事務局長、そしてとりわけ長尾真前総長にご尽力いただいた。前総長は、コンサートを楽しみにされていたが、法人化を前に風雲急を告げる状勢の下、退任直前にもかかわらず国立大学の将来に布石を打つため急遽上京された。欠席された長尾真前総長に感謝の気持ちとともにコンサートの成功をご報告できたことは、館の教員・事務官にとってたいへんうれしいことであった。

(大野照文)