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総合博物館夏休みサイエンス教室週間のおしらせ


 京都大学総合博物館では、今年の夏休みの終わり、8月21日(月)から、8月25日(金)にかけての一週間、夏休みサイエンス教室週間として、小学生と高校生向けに夏休み科学教室を二つおこないます。一つは「大学等地域開放特別事業」の一環として小学生にを対象とします。もう一つは、「ふれあいサイエンスプログラム」の一環として、高校生を対象としています。詳しい内容は以下に示すとおりです。

1. 「大学等地域開放特別事業」生命の進化を探る-三葉虫をさわってみよう

 三葉虫の化石を母岩から取り出す実習。京都大学理学部地質学鉱物学教室標本室の見学。古生物学専門の教官による地球・生命史についてのお話などがあります。三葉虫の化石を実際に手に触れることを通じて、数億年前、三葉虫がどのような環境でどのように生きていたのかを考えます。そして、地球の歴史や生命の歴史について学びます。最後に三葉虫の絶滅を通じて地球環境の変化についても学びます。

開催日時:平成12年8月25日(金)午後1時~午後5時
開催場所:京都大学総合博物館
担当者:教授 大野照文
応募資格・定員:京都市近郊の小学生4年生から6年生・30名
(参加者には必ず成人が付き添ってください)
応募方法・問い合わせ先:官製往復はがきに参加希望者の住所・氏名・年齢・性別・学校名・学年、保護者の一人の氏名を書いて平成12年8月10日(木)までに以下の住所に郵送してください。応募者多数の場合は抽選します。返信用はがきには返信用宛名を書いておいて下さい。
京都大学総合博物館事業掛 電話075-753-3272
住所 606-8501京都市左京区吉田本町

2. ふれあいサイエンスプログラム「博物学をまるかじりしよう」

 博物学には、とても面白い学問の分野がすべて含まれています。そして、京都大学総合博物館には、自然科学から人文科学まで、博物学の様々な分野の第一線で研究している先生たちがいます。夏休みの終わりに先生たちと一緒に博物学の面白さを体験してみませんか。
送り火などで全国的に有名な大文字山のひみつに、自然科学と人文科学の両面から博物学的に迫ります。最初の2日間は、講義と実習です。地学・地理学・動物学・植物学の先生方のお話を聞いたり、貴重な標本を使った実習、さらに普段はめったに見られない研究室や標本庫の見学などをします。また、活発に研究されている館の先生と一緒に魚学について体験するなど、大文字だけにとどまらない幅広い博物学の内容を楽しく学べます。
 最終日は、大文字山に登っての野外実習で、これまで勉強したことを自分の目で確かめます。3日間参加する事で、博物学の様々な分野の面白さをまるかじりできます。なお、このプログラムは、文部省科学研究費補助金研究成果公開促進費による助成を受けています。

開催期間:平成12年8月21日(月)~平成12年8月23日(水)

第1日目
09:30~09:45オリエンテーション
09:45~10:30講演「京都文化のゆりかごとしての大文字山」(吉川真司)
10:40~12:00実習「京大総合博物館丸かじり」(吉川真司・大野照文)
13:00~14:30講演「大文字山の植物学」(永益英敏)
14:40~15:30見学「京都大学の自然史研究最前線を見る」(大野照文)
         (理学部ミニ博物館、地質学教室標本庫、植物学教室標本庫見学)

第2日目
09:30~10:30講演「大文字山の動物たち」(本川雅治)
10:40~12:00実習「大文字山の動物たちの生活史」(本川雅治)
13:00~15:30講演・実習「魚を見る・魚を知る」(中坊徹次)

第3日目
09:30~16:00フィールド・ワーク「大文字山を科学する」(全員)
(帰路 坂本から大学までの交通費が別途600円程度必要です)

● 「京都文化のゆりかごとしての大文字山」(吉川真司先生)
大文字山は、如意ヶ岳とも呼ばれます。これは、10世紀中葉頃から15世紀中葉までここに立派な伽藍を誇る大きなお寺があったことにちなんでいます。古文書や古地図をもとに当時の大文字山の様子を調べてみましょう。また、実際に大文字山に登って遺構を確かめてみましょう。

● 「大文字山の植物学」(永益英敏先生)
 京都市のまわりには,シイが優占する照葉樹林,コナラが優占する落葉樹林,スギの植林地など様々な森林が広がり、いろいろな植物が生育しているのを見ることができます。そこで、講義と大文字山での実習を通して、植物の見分け方,標本の作製法などを学びます。

● 「大文字山の動物たち」(本川雅治先生)
京都府には、本州に見られる哺乳類の大部分の種類が生息しています。また両生類やハ虫類の種類も豊富です。京都大学に所蔵される標本を中心にこれらの動物について調べてみます。また、大文字山では、足跡や糞をもとにどのような動物が住んでいるのかを調べてみます。

●「魚を見る・魚を知る」(中坊徹次先生)
およそ100万年前、京都盆地は海でした。当時の大文字山にのぼると古京都湾が一望できたはずです。その湾にはどんな魚がすんでいたのでしょうか。100万年前ですから、現在の海にいる魚と極端に違ってはいなかったでしょう。古京都湾はかなりの内湾でした。ちょっと、のぞいてみましょう。

● 「京大総合博物館丸かじり」・「京都大学の自然史研究最前線を見る」(吉川真司先生・大野照文先生)
 京都大学にある250万点あまりの様々な学術標本資料を納めるために現在総合博物館新館を建設中です。参加者の皆さんには収蔵予定の貴重な門外不出標本を特別にお見せします。また、理学部ミニ博物館など、隠れた名所の見学を通じて京都大学について親しんでいただきます。

参加資格:全国の高校生

  1. 6月23日までは直接日本学術振興会まで応募してください。
    送り先:〒102-8471東京都千代田区麹町5-3-1 ヤマトビル 4階
    日本学術振興会 研究事業部研究事業課
    ふれあいサイエンスプログラム担当
    電話03-3263-1721(代表)(参加申込書その他についての問い合わせもここへ)
    応募締め切り日:平成12年6月23日(金)必着
    1. 「参加申込書」にもとづいて、選考を行い参加者を決定します。
    2. 選考の結果については、各プログラムが実施される2週間前までには、参加申し込みをした本人あてに手紙でお知らせします。
    3. 万一、プログラム実施までの日数が1週間以内になっても選考の結果が届かない場合には上記までお問い合わせ下さい。
  2. 6月24日(土)以降8月10日(木)までは、京都大学総合博物館事業掛まで、定員に空きがあるかどうかを問い合わせた上申し込んでください。
    問い合わせおよび応募用紙送り先 〒606-8501京都市左京区吉田本町
    京都大学総合博物館事業掛
    電話 075-753-3272
    ファクス 075-753-3277
    1. 「参加申込書」にもとづいて、定員一杯まで参加を認めます。
    2. 選考の結果については、各プログラムが実施される数日前までには、参加申し込みをした本人あてに手紙でお知らせします。
    3. 万一、プログラム実施の直前になっても選考の結果が届かない場合には上記までお問い合わせ下さい。