インクルーシブデザインユニット by 京都大学情報学研究科

月19日はインクルーシブデザインの日

第35回 インクルーシブデザインワークショップ
京都駅の「待ち合わせ」デザイン

日時
2008年10月18日(木)9時50分から17時30
場所
京都駅周辺
崇仁コミュニティーセンター(京都市下京区)3階 多目的ホール
参加人数
47名
主催
みやこユニバーサルデザインフォーラム
協力
京都大学インクルーシブデザインユニット/京都工芸繊維大学/京都造形大学/京都市/社団法人 京都府建築士会/社団法人 京都ライトハウス京都市/財団法人 たんぽぽの家/バリアフリー旅行ネットワーク

1)ワークショップ はじめに

さわやかな秋晴の土曜日の朝。京都駅でメンバーと“待ち合わせる”ところから、今日のワークショップはスタートしました。10月18日の午前10時前、京都駅周辺の様々な場所で、6つの班が集合していたはずです。

このワークショップの参加者には、事前に6つの班に分かれていただきました。リードユーザーをつとめて下さった、目の見えない方や車イスの方を始め、京都駅を普段利用されない遠方の方、デザイナー、建築家、京都市の職員、学生・・・と、どの班もメンバーは多種多様です。いろいろなニーズがある中で、メーリングリストを使って各班のメンバーで相談をし、ワークショップ当日までにそれぞれ独自の待ち合わせ場所を決めてもらいました。でも、この時期の京都は、観光シーズンまっただ中。つまり、京都駅は、一日中大混雑なのです。そんな中、みなさんはスムーズに待ち合わせができたのでしょうか??

2)“待ち合わせ”の後、フィールドワーク

ここで、各班でまとまった“待ち合わせ場所”をご紹介しましょう。

1班:
伊勢丹のSUVACO 近くの「時の灯(ときのあかり)」
2班:
中央改札口(0番ホームの前)出てすぐ左の開けたスペース
3班:
バス総合案内所の駅側の壁の前
4班:
JR 西口改札 出て券売機側・有人改札側
5班:
烏丸中央口の少し左側 点字案内板の前(案内音のするところ)
6班:
JR 中央口 烏丸1F 改札を出てすぐ左側(東側)にある自動切符売り場の前あたり

京都駅構内図

いかがでしょう? この待ち合せ場所の情報だけで、すぐにイメージができますか? 無事に出会うことができるでしょうか? 実際には、メンバー全員がすぐに“待ち合わせ場所”にたどり着けた班もあれば、ちゃんと“待ち合わせ場所”を決めたつもりだったのに、全員が揃うまでに時間がかかってしまった班もありました。なぜスムーズだったのか、なぜ混乱してしまったのかは、また別の機会に。

班のメンバーが全員そろった後は、「普段待ち合わせをするのはどんな所ですか?」「何を目印にしていますか?」など、“待ち合わせ”や“駅”に関してのいろいろな話をしながら、京都駅構内の様々な場所をみんなで歩いてみました。他に待ち合わせができそうなところはあるかどうか、駅構内の移動しやすさはどうだろうか、表示は分かりやすいかどうか、気になる所を探します。気づいたことは、デジカメで写真を撮ったり、付箋にキーワードをメモしたりしておきます。これは、後でアイディア出しをするときの貴重な材料になるのです。

写真:京都駅構内でフィールド調査している様子

写真1:目の見えない人が点字の構内図に触れている様子。写真2:車いすのリードユーザと他のユーザが改札口付近でフィールド調査している様子

3)お昼ご飯の後は、アイディア作り

各班、お昼を終えて(もしくは持って)、午後からの会場となる「崇仁コミュニティーセンター」に移動した後、まずは、待ち合わせ場所について、駅の設備について、午前中に気づいた点を班のメンバーの間で共有します。

写真:模造紙の上に気付きを書いた付箋を貼り付けている

例えば・・・

○駅の至る所でなっている、“ポーン”という案内音について

○待ち合わせ場所は五感で認識できる場所がいい

○“中央口”はどこ?“八条口”はどこ?

このように、今まで気づかなかったことやぼんやりとは感じていたけれど言葉にはならなかったことなどを、班のメンバーで共有し、アイディアを練ります。

4)アイディアをカタチに

このワークショップで特徴的なのは、アイディアをアイディアだけでは終わらせないことです。思いついたら、すぐにカタチにしてみます。カタチにすることで、新たな視点からアイディアを検証することもでき、班のメンバー以外の人とも、気づきを共有することができます。絵が得意な人、ストーリーを立てるのが上手い人、工作が得意な人、メンバーそれぞれが、各自の得意分野で、力を発揮します。

写真:男性がラフスケッチしている様子

最後に、参加者みんなへ向けて、カタチにしたアイディアの発表会をしました。どのような気づきを元に、アイディアを膨らませたのか、そして、その提案によって、みんながどれだけ“楽しく”なるかということを紹介してもらいました。

各班の最終作品はこちら。(各班の作品紹介は、また別の機会に。)

1班:
今いる場所がすぐに分かる『色分けゾーニング:京都駅レインボープロジェクト』
2班:
待ち合わせの場所が指定しやすい『待ち合わせZOON』
3班:
五感を使える待ち合わせ場所をつくろう『待ち合わせ条例』
4班:
存在感のある待ち合わせ場所『噴水の丘??』
5班:
みんなのところへ連れて行ってくれる『みんなで会いまチョー』
6班:
行きたい場所がすぐ分かる『駅ナビ??』

日常生活の中では、一緒に議論をする機会ない人同士が出会い、楽しく手を動かしながら、新しい視点を見つけることができるのが、インクルーシブデザインワークショップです。今回も、みなさん笑顔で発表会を終えました。

今後の京都駅がよりよいものになりますように。

そして、みなさんの“待ち合わせ”が楽しいものになりますように。

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