インクルーシブデザインユニット by 京都大学情報学研究科

月19日はインクルーシブデザインの日

第41回 インクルーシブデザインワークショップ
ミドリムシと遊ぶ
—ハンズ・オン・サイエンスカフェでつくってまなぶ—

日時
2008年12月17日(水)18時から21時
場所
COCON烏丸 4F
シティラボ内プレゼンテーションルーム
参加人数
18名
主催
京都大学インクルーシブデザインユニット
*このワークショップは、日産科学振興財団 理科/環境教育助成を受けて実施しました。

1)ワークショップ はじめに

クリスマスツリーが出迎えてくれたCOCON烏丸(インテリアショップやカフェ、ミニシアター、オフィススペースから成る複合商業施設です)。その1部屋をお借りして、「ミドリムシと遊ぶ —ハンズ・オン・サイエンスカフェでつくってまなぶ—」を行いました。

2)ところで、“ハンズ・オン・サイエンスカフェ”ってなに??

ここ数年、“サイエンスカフェ”と呼ばれるイベントが、各地で多数開催されるようになってきました。“サイエンスカフェ”は、「科学者と参加者とがもっと気軽に科学の会話を楽しもう」、「大学内で行われるような公開講座や講演会よりも和やかな場にしましょう」という目的で行われています。私たち“ハンズ・オン・サイエンスカフェ”が目指しているのは、その一歩先です。科学者がお話をする、そして、参加者はお話を聞く、というだけではありません。「科学者と共にお話をした内容を、おうちに持って帰ることができるように、誰かに伝えることができるようにしましょう。そのために、サイエンスグッズを一緒に創りませんか?」という催しにしたいと考えています。実際に手を動かして、グッズを創ることによって、お話を聞くだけでは気づくことのできなかったハテナや楽しさを発見することができると思っています。これから、定期的に開催することを目指しております。どうぞよろしくお願いします。

3)記念すべき最初のゲストは・・・

ハンズ・オン・サイエンスカフェのオーナーからのご挨拶の後は、記念すべき第1回のゲストの登場です。神戸大学の洲崎敏伸先生です。ミドリムシを始めとして、いろいろな原生生物の研究をされています。そして、洲崎先生に加えて、2名の研究員さんも遊びに来てくれました!

まずは、洲崎先生から、ミドリムシやゾウリムシの大きさ、形、動き方などのお話を1時間ほどお聞きしました。

今回は、目の見えない方にも、ミドリムシやゾウリムシの形をお伝えできるように、模式図は事前に立体コピー(*1)で触れることができるようにしておきました。他にも、洲崎先生作の“動くミドリムシ模型”、“ゾウリムシぬいぐるみ”など、見ても楽しい、触ってもっと楽しい教材をたくさんご紹介いただきました。

洲崎先生のお話を聞き、グッズを見せていただいているうちに、どんどんカタチにしたくなってきたでしょう?? うずうずしてきたでしょう??

4)創作活動

お部屋の真ん中の机には、教材の材料になりそう(?)なものがいっぱい積み上げられています。その中から、好きなものをテーブルに持ち帰り、同じテーブルに座っている人たちと一緒に、早速作業の開始です。ミドリムシやゾウリムシのお話のどこが気になりましたか?そこをカタチにしてみましょう。

5)作品発表

まずは、1グループ目。ゾウリムシのお食事の様子を表現してみました。このグループの作品が生み出された出発点は、同じグループの目の見えない方に、ゾウリムシのエサの食べ方を、ビニル袋を使って説明したことでした。ゾウリムシの体の表面、つまり細胞膜が、食べ物を体の中へ運び、さらに、要らないものを吐き出しながら、再び体の表面に戻ってくる(*2)。これを表現したかったのが、この教材です。

左下の物体はエサ、ビニルはゾウリムシの細胞膜、ビニルの中の紙粘土にスジスジをつけて、繊毛のつもり。

2グループ目の作品は、ミドリムシの体を再現したものです。ミドリムシの体は、「ミドリムシの体は、ぞうきんを絞ったように、細胞全体がねじれています。」というお話がアイディアの元でしょうか。このミドリムシの体には、ちゃんと核や葉緑体が埋め込まれています。

3テーブル目は、リアルなミドリムシを狙ってみました。きっかけは、「リアルでカワイイ ミドリムシを作ろう!」でした。偶然にも女子グループだったので、取りだしたのは針と糸です。「葉緑体のなかに緑のツブツブがある」ということで、ビーズを包んだネットで葉緑体を表現しています。
ミドリムシは水の中で生きている、ということで、おふろでも遊べる教材かも??

透けている感じの細胞膜、中には触る堅い“核”があります。

作品を発表しながら、沸いて来たハテナは、すぐに洲崎先生たちにぶつけてみます。

例えば

話題はつきません。

*グッズの一部は、とある小学校の理科室でデビューしているという噂を聞いています。

参加者のみなさんは、きっと、おうちに帰って家族に、もしくは、次の日学校で友人に、目をキラキラさせながら、ミドリムシやゾウリムシについて、語っていたはずです。

*1
カプセルペーパーという特殊な紙に、文字や図を印刷します。印刷したカプセルペーパーに熱を加えると、印刷された部分が盛り上がり、指で触る事ができるようになります。(戻る
*2
ゾウリムシは、「細胞口」と呼ばれるところから、エサを体の中に入れます。ちょうどビニル袋にモノを入れて、絞って、くくるように、「細胞口」の先端が、エサ入り袋(これは「食胞」と呼ばれています)のようになって、体の中に入って行きます。この袋が体の中を巡り、中のエサは徐々に消化されながら、「細胞肛門」の辺りへ向かって進みます。最後に「食胞」は、まるで、小さなシャボン玉が大きなシャボン玉とくっつくように、「食胞」の中に残された排泄物を外に吐き出しながら、ミドリムシの体の表面に戻って行くのだそうです。(戻る

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