インクルーシブデザインユニット by 京都大学情報学研究科

月19日はインクルーシブデザインの日

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バリアフリー上映
みんなで字幕や副音声をつけてみよう

1)はじめに

バリアフリー上映(*)という言葉をご存知でしょうか?「映画に副音声と字幕をつけることによって、視覚障害者にとっても、聴覚障害者にとっても、映画の楽しみを味わってもらおう」というものです。京都近辺でバリアフリー上映の制作や上映に携わっている団体「京都リップル」には、映画の副音声付けや字幕付けに関わるノウハウが蓄積しています。より多くの人々にバリアフリー上映への理解を深めてもらおうという目的のもと、京都リップルの持つノウハウを抽出するため、そして、副音声付けや字幕付けの面白や工夫も伝えるために、私たちは2008年度中に4回のワークショップを実施しました。

*京都市では、ユニバーサル上映という名称でも用いられることがある。

2)ワークショップ開催概要

No.1 バリアフリー上映 みんなで字幕や副音声をつけてみよう

開催日時
2008年5月19日 18時~21時
会場
ひと・まち交流館(京都市下京区) 第4会議室
参加人数
22名
主催
京都大学GCOEプログラム(知識循環社会)
共催
京都リップル,財団法人たんぽぽの家
後援
京都市保健福祉局保健福祉総務課みやこユニバーサルデザイン推進担当

No.2 バリアフリー上映 みんなで字幕や副音声をつけてみよう 第2弾

開催日時
2008年7月17日 18時半~21時
会場
キャンパスプラザ京都 (京都市下京区) 第2演習室
参加人数
27名 
主催
京都大学GCOEプログラム(知識循環社会)
共催
京都リップル、財団法人たんぽぽの家
後援
京都市保健福祉局保健福祉総務課みやこユニバーサルデザイン推進担当

No.3 バリアフリー上映をつくろう ~字幕編~

開催日時
2008年10月15日 18時半~21時
会場
キャンパスプラザ京都 (京都市下京区) 第3会議室
参加人数
11名
主催
京都大学GCOEプログラム(知識循環社会)
共催
京都リップル、財団法人たんぽぽの家
後援
京都市保健福祉局保健福祉総務課みやこユニバーサルデザイン推進担当

No.4 バリアフリー上映をつくろう ~副音声編~

開催日時
2009年1月21日 18時半~21時
会場
ハートピア京都 (京都市中京区) 第3会議室
参加人数
12名
主催
京都大学インクルーシブデザインユニット
共催
京都リップル、財団法人たんぽぽの家 
後援
京都市保健福祉局保健福祉総務課みやこユニバーサルデザイン推進担当

3)ワークショップの内容

タイムスケジュール

ワークショップは以下のようなタイムスケジュールで開催しました。

約30分間
趣旨説明
約1時間
班ごと/参加者ごとに分かれて、字幕付けや副音声付けの作業を体験
約30分間
作成した字幕や副音声を、参加者全員に向けて発表
約20分間
質疑応答&ディスカッション

具体的な内容(No.1)

京都リップルで上映したことのある映画の一部分(『歓喜の歌』の冒頭より4分程度)を教材としました。参加者のみなさんには4つの班に分かれてもらい、2班は字幕作成を、残りの2班は副音声の作成を体験してもいました。副音声班のメンバーには、耳の聞こえにくい方がそれぞれ1名づつ参加されていました。字幕/副音声の作成時に浮かんだ疑問点は、ワークシート(図1)に記入してもらいます。試作品の発表後、京都リップルのメンバーによるコメントや疑問点への回答をワークショップは終了です。

ワークシートの縮小画像
図1 ワークショップで使用したワークシート
クリックすると拡大表示

みなさんに書いてもらったワークシート(図1)は回収して、バリアフリー上映の作り方を解説するテキストの試作品を作りました。

具体的な内容(No.2)

前回のワークショップで扱った映画『歓喜の歌』の一部分を題材としました。参加者のみなさんには4つの班に分かれてもらい、2班は字幕作成を、残りの2班は副音声の作成を体験してもらいました。前回のワークショップに参加した方には、前回とは別の作業をしてもらっています。今回のワークショップには、目の見えない方が2名、耳の聞こえにくい方が2名参加されました。

今回も、字幕/副音声の作成時に浮かんだ疑問点は、ワークシート(図1)に記入してもらっています。参加者全体での議論の材料とした後、ワークシートは回収して、テキストの試作品に修正を加えました。

具体的な内容(No.3)

3回目のワークショップでは、映画『モモ』の一部分を題材としました。字幕付けにおける工夫や難しさを共有することにテーマを絞った回でした。パソコンが苦手な人でも字幕付けの一部分が体験できるように、紙に印刷した台詞をハサミとノリで整理する方法も試してみました。

参加者が作成した字幕と京都リップルメンバーが作成した字幕を比較することで、見やすい字幕の条件を見出すことができました。

具体的な内容(No.4)

前回に引き続き、映画『モモ』の一部分を題材としました。今回は、副音声付けにおける工夫や難しさを共有することにテーマを絞りました。情景描写をどこまで細かく入れるのか、どのように間をとるのかなど、数分の映像を題材とするだけで、様々な副音声付けの工夫を見出すことができました。

4)ワークショップを通じて

ワークショップ中に得た気づきを基に、テキスト『ユニバーサル上映をつくろう 情報のユニバーサルデザイン -日本語字幕と音声ガイドをつける方法-』を作成しました。このテキストは、「いざ、字幕付け/副音声付けを始めようと思った時にぶつかる疑問」に答えるという形の構成になっています。テキストのサイズも、いつでも持ち歩くことができる、また作業中に広げておけるサイズになっています。(下記よりダウンロードできます。)

今後、作成したテキストを使って、映画の副音声付けや字幕付けに関わるスキルを身につけることのできる、もしくはスキルを高めていくことのできる、人材育成型ワークショップを開催したいと考えています。詳細が決まったらまたお知らせをさせて頂きます。

ダウンロードファイル
Making_of_UDmovie.pdf
ファイルサイズ
約9.8MB
用紙サイズ
見開きB5
発行
京都市保健福祉局保健福祉部保健福祉総務課
制作協力
京都リップル、京都大学インクルーシブデザインユニット

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