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着工記念パーティ
着工記念パーティでは、長尾総長から「欧米ではこまごましたものでも偏執狂と思う程に実に丁寧に保存しているにの対し、日本では古いものは捨てて新しい気分でやり直す、という考えがあるせいか、せっかくの資料が十分に保存されていない。私の所属していた工学部の電気科では”日本で初めて輸入された電気機器”などがいくつかあったが、保管場所がなく廃棄されてしまった。今、思うと誠に残念だ」、と貴重な技術資料がいわば”ヤミに”葬り去られてきた実情が明らかにされ、技術史資料についても同様な施設の必用性が示唆された。
また、梅棹忠夫 国立民族学博物館 初代館長からは「私が京大にいたときのことであるが、欧米では大学博物館はごく普通であるのに、日本ではちゃんとした大学博物館がない。そこで、文化史の資料と理学部の資料を併せて大学博物館を作ろう、と提案したら、けんもほろろに反対された」との”今だから公に話せる”たぐいの秘話が飛び出し、「だから”みんぱく”をつくった」とオチがつくと会場は爆笑に包まれた。自然史棟への期待とともに総合博物館の将来的な位置付けなどについて関係者のスピーチが行われた。