企画展・特別展

2024年度企画展「宇宙からの手紙 隕石の発見からはやぶさ2の探査まで」

開催期間:

2024年度企画展

宇宙からの手紙

隕石の発見からはやぶさ2の探査まで

会期:2024年7月24日(水)~11月3日(日)

 

 今からちょうど120年前、兵庫県のある村で轟音とともに天より落ちる火の玉が目撃されました。村人の手により、火の玉の正体は重さ4.7kgの塊であることがわかり、その後その鉄塊は京都帝国大学へと渡り研究が行われました。その鉄塊こそが、京都大学における「地球外物質研究」の始まりを告げた「隕石」であり、村の名前から「岡野隕石」と名付けられました。岡野隕石はおよそ46億年前にこの太陽系のどこかで誕生した星の欠片であり、内部にはその星の一生が記録されています。しかし、その記録は「化学組成」に隠されていたり、「岩石の組織」が人知れず物語っていたり、簡単には読み解くことができません。私たちは200年以上前からそのような地球外物質-「宇宙からの手紙」-の解読に取り組み、太陽系の歴史を少しずつ紐解いてきました。

 現在私達は、隕石に加えて、「宇宙から降ってくる塵(宇宙塵)」や、「探査機が持ち帰った天体の欠片(リターンサンプル)」など、特徴が異なる3種の天体の欠片を手にしています。そして、それらを解読するために数々の手法を編み出してきました。今回の企画展「宇宙からの手紙 隕石の発見からはやぶさ2の探査まで」では、地球外物質研究の背景と奥深さを、鉱物学という側面から切り取り、可能な限り実物と共に紹介いたします。

 本展示では「宇宙からの手紙」である多種多様な隕石に加え、実際の宇宙塵やリュウグウ粒子等リターンサンプルも展観します。その中で、地球外物質研究の歴史、特に京都大学の今昔の研究について詳しく触れます。また、京都に落下・発見された唯一の隕石である「曽根隕石」の里帰り展示や、昨年度当館の屋上で行われた地球外物質探査など、地元の地球外物質も紹介いたします。微小な標本が数多く並ぶので、実際の地球外物質研究のスケール感を体感してもらいたいと思います。地球内外の石の比較や、石を読み解く鉱物学そのものについても触れ、さらには「流星刀」の展示(期間限定)などを例に、地球外物質と人々との関わりについても紹介いたします。本企画展示を通して、地球外物質をより身近に感じてもらい、秘められた面白さを伝えられれば幸いです。

チラシの画像。本ページのテキスト内容に加え、隕石の写真や宇宙のイメージ。

画像をクリックするとチラシのPDFをご覧いただけます

主催:京都大学総合博物館

後援:国立研究法人 産業技術総合研究所地質調査総合センター

   京都府教育委員会、京都市教育委員会

協力:国立極地研究所

期間限定展示 (終了しました)

「流星刀」と白萩隕石2号(富山市科学博物館 蔵)

7月24日(水)~9月1日(日)

関連講演会・イベント

★ 7月28日(日) 対話型ミニレクチャー企画 (終了しました)

隕石と結石、それぞれ宇宙と体内という全く異なる環境で見つかる石。この異なる二つの石に、結晶成長学の観点から橋渡しした大阪大学の丸山美帆子先生をゲストにお迎えし、2024年度京都大学総合博物館企画展『宇宙からの手紙:隕石の発見からはやぶさ2の探査まで』を企画した竹之内惇志ディレクターとの対話型ミニレクチャーを開催することとなりました。尿路結石という全く新しい対象に、長い歴史と実績ある地球科学的なアプローチを取り入れるという先進的な取り組みについて、隕石分析の専門家とともに皆さんと一緒に紐解いていきたいと思います。

日時:2024年7月28日(日) 10:30〜12:00

場所:京都大学総合博物館 1階自然史展示室内 ミューズラボ

申し込み:不要ですが、着席は先着順で30名ていどを予定しています。

参加費:無料です。ただし、博物館入館の際に観覧料が必要です。

チラシの画像。本ページのテキスト内容に加え、隕石と結石の写真、対談者の顔写真。

● 画像をクリックするとチラシのPDFをご覧いただけます ●

★ 8月8日(木)・9日(金)ミニガイド会 (終了しました)

京都大学オープンキャンパスに伴い、解説員による企画展のミニガイドを開催します。
時  間:①13:00~13:30 ②14:00〜14:30 ③15:00〜15:30
集合場所:京都大学総合博物館 2階企画展示室(企画展会場)
申し込み:不要です。集合場所にお集まりください。
参加費 :無料です。当日は博物館の観覧料も無料です。

★ 8月21日(水)~23日(金) 電子顕微鏡体験会および解説会 (終了しました)

日本電子株式会社の協力のもと、電子顕微鏡の体験会「電子顕微鏡に触ってみよう!」と解説会「電子顕微鏡で微小な地球外物質を見てみよう!」を開催いたします。

場所:京都大学総合博物館 1階自然史展示室内 ミューズラボ

申し込み:不要です。座席等には限りがあります(下記ご参照願います)。

参加費:無料です。ただし、博物館入館の際に観覧料が必要です。

スケジュール予定(予告なく変更の場合もございます)
  9:50~10:50 11:00~12:00 13:00~14:00 14:10~15:10 15:20~16:20
8月21日(水) 体験会 解説会 解説会 体験会 体験会
8月22日(木) 体験会 解説会 体験会 解説会 体験会
8月23日(金) 体験会 解説会 解説会 体験会 体験会
体験会「電子顕微鏡に触ってみよう!」

電子顕微鏡の操作画面をプロジェクターで投影しながら、電子顕微鏡についての簡単な解説を行います(〜15分程度)。
解説を聞いてくれた方の中から希望者(※子供優先)に、実際に電子顕微鏡の操作を体験してもらいます(1人3〜5分程度)。
体験中は操作画面をプロジェクターで投影し、担当教員が適宜解説等を加える予定です。
担当教員オススメの地球外物質を、電子顕微鏡で実際に観察することができる貴重なイベントとなっています。

  • 1回当たりで体験できる人数には限りがあります(10人前後)。
  • 操作体験は高校生以下の学生・お子さんを優先し、その中で先着順とさせていただきます。
  • 小学生以下のお子さんには必ず親御さんが付き添ってください。
  • もし混雑するような場合には整理券等の配布を行う可能性がございます。
  • 解説の聴講、操作の見学には定員は設けませんが座席には限りがあります。
  • 運営方法は当日変更となる可能性がございます。
解説会「電子顕微鏡で微小な地球外物質を見てみよう!」

野口高明教授(京都大学大学院理学研究科)による、微小な地球外物質(隕石やリターンサンプルや宇宙塵)の電子顕微鏡を用いた解説会を行います。
野口先生ははやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウ粒子の分析班の一つでチームリーダーを務め、隕石・宇宙塵・リターンサンプルといったあらゆる地球外物質研究のスペシャリストです。日本の地球外物質研究を牽引する研究者が、リアルタイムで電子顕微鏡を操作・分析しつつ、画面をプロジェクターで投影しながら解説を行うという大変貴重な機会です。イトカワやリュウグウの試料だけでなく、アポロの月の砂、スターダスト試料(彗星の塵)まで、日本ではここでしか見られない研究試料の数々を紹介する予定です。目に見えないほど小さい地球外物質が一体どんな姿をしているのか、どんなことを教えてくれるのか、ぜひお話を聞きに来てください。

  • 特に定員はございませんが、ミューズラボの席は40名までとなっています。
  • 一日に2回解説を予定していますが、どちらも同じ内容になります。ご都合が良い方にご参加ください。

体験会担当:松本徹 助教(京都大学白眉センター)、大野遼 特定研究員(京都大学大学院理学研究科・日本学術振興会)、竹之内惇志 助教(京都大学総合博物館)

解説会担当:野口高明 教授(京都大学大学院理学研究科)

協力:日本電子株式会社

★ 9月21日(土) 京都大学アカデミックデイ 2024「研究者と立ち話」(終了しました)

解説:野口高明 京都大学大学院理学研究科教授 他

場所:ゼスト御池(京都市役所前地下街)

時間:11:00~18:00

K.U.RESEARCH京都大学研究情報ポータルでの紹介ページはこちら

★ 9月22日(日) 企画展 展示解説会「研究者と巡る企画展」(終了しました)

解説:野口高明 京都大学大学院理学研究科教授 (はやぶさ2 砂の物質分析チームリーダー)

場所:京都大学総合博物館2階 企画展示室

時間:10:30~11:30

★ 9月28日(土) 講演会「電子顕微鏡で覗くリュウグウの石*の姿」*はやぶさ2試料(終了しました)

講師:松本徹 京都大学白眉センター助教

場所:京都大学総合博物館1階 ミューズラボ

時間:10:30~11:30

★ 11月2日(土) 講演会「宇宙からの手紙」(終了しました)

講師:竹之内惇志 京都大学総合博物館助教

場所:京都大学総合博物館1階 ミューズラボ

時間:13:00~14:00

展示図録

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展示図録の表紙。宇宙を背景にした隕石標本の写真。
展示図録の表紙画像