企画展・特別展

地図 温故知新

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「地図 温故知新」
 
2013年京都国際地理学会議の開催を記念して、京都大学に所蔵される数千点の地図資料から、40点あまりを厳選して展示します。展示品の中心は日本で作製された図です。
 
たとえば、世界や日本の地図をイメージしなさい、と言われたとき、あなたとあなたの友人との間に、その粗密は別とすれば、それほどおおきなズレはないのではないか。そしてそれはおそらく、学校で習う地図、つまり、測量と投影法に基づいた「正しさ」を希求した地図に依拠して形成されたイメージだろう。
しかし、そのイメージが果たして過去の人々とも共有できるか、と言えば、決してそうではない。たとえば江戸時代中期に作られた世界図や日本図は、今とはかなり異なった図像を載せている。
どちらが「正しい」地図か、と問うならば、当然、現在の地図である。しかし、そのような問いは、地図が常に「正しさ」を要求されていた、という誤った認識をもたらすにすぎない。地図に何が求められていたのか、というのは時代によって変わるのであり、その意味で、地図史は時代ごとの文化・社会を鋭敏に反映したものとなる。
本展のタイトルを「地図 温故知新」としたのは、そのような地図史の豊かさそのものをテーマとしようとしたからに他ならない。展示は、京都大学に所蔵される数千点の地図資料のなかから、このような意図に沿う資料を厳選し、基本的に1ケースごとにテーマをたてて構成した。豊かな地図史の世界を味わっていただけると幸いである。
   

  

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