開催趣旨
村田泰隆氏によって蒐集・寄贈された蝶類コレクションを展示する「蝶に会える日」シリーズは、今回で三回目を迎えます。これまでの展示では主に海外の蝶を紹介してきましたが、今回は日本の蝶に焦点を当てます。本展では、膨大なコレクションの中から厳選した約三十六箱の標本を通して、日本列島の蝶類相(特に、冷涼な環境に取り残された「遺存種」と呼ばれる蝶や、東アジアに固有の蝶であるギフチョウ属、そして南方から飛来し続ける「迷蝶」に注目して)、京都の蝶の今昔、アリとともに生きる蝶、ゼフィルスの多様性、外来種、そして危機に瀕する蝶に迫ります。今回ご紹介するのは日本に生息する蝶のごく一部ですが、都市部の日常生活ではなかなか目にすることのない蝶の標本も展示いたします。蝶の美しい色彩を楽しんでいただき、日本列島の自然が育んだ奥深い多様性とそのかけがえのない価値について思いを馳せる機会となれば幸いです。