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2010年、京都大学が主催するレバノン発掘調査団(団長:泉拓良文学研究科教授)は、中東・レバノンにある古代フェニキアの中心都市テュロスを見下ろす丘の中腹で、紀元後2世紀に造られた大規模な地下墓から「呪いの鉛板」(Curse Tablet)を発見しました。
解読の結果、この鉛の小板には、「神々に依頼して、自分に不正を働いたものを罰して欲しい」という意味の呪いの言葉が書かれていることが分かりました。
出土文化財の国外への持ち出しは禁止されていることが多いのですが、この資料は、レバノン考古総局の特別の配慮により、調査・分析のため1年間の借用が実現したものです。
日本ではめったに目にすることのできない「呪いの鉛板」を、最新の研究成果と合わせて、期間限定で公開します。
呪いの鉛板とは?
呪いの鉛板とは、未来の出来事に影響を与えるよう、あるいは自分の敵や不正者を罰するよう、神々や死者に依頼する文章が刻まれた鉛製の小板のことです。
紀元前6世紀から紀元後6世紀ないし8世紀まで、古代ギリシア・ローマ世界で広く使用されました。
今回発見した鉛板は、幅6.0cm、長さ14.7cmの薄い鉛の板で、全体にギリシア文字が55行にびっしりと書かれており、1000文字を超える文字数になると思われます。
実物の画像や文面(訳文含)は速報展示のチラシでご覧になれます。
チラシ(表) チラシ(裏)
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