開館10周年記念企画展「埃及考古」に関連し、本展覧会で初めて本格的に展示するエジプト考古資料に関するお話しを、全4回にわたり多方面からお伝えします。
この講座を受けるれば、より深くより面白く、本展覧会をご覧いただけます!
講演日時・概要
◎11月19日(土曜日)13時30分~16時
「イギリスのアーカイヴから見た京大のエジプト資料の特徴とは?」
中部大学国際関係学部 准教授 中野智章
ペトリ―から濱田へと贈られた古代エジプト遺物のかずかずは、いったいどのような意図をもって選択されたものだったのでしょうか。イギリスのエジプト探査協会やロンドン大学などに残されている、今からおよそ100年前の資料(遺物の送付記録や手紙、メモ類など)調査を通して浮かび上がった、京大エジプト資料成立の知られざる背景とその特徴についてご紹介します。本展覧会のより面白い見かたが加わること請け合い!です。
◎11月26日(土曜日)13時30分~16時
「文明をむすぶ-京大所蔵エジプト資料がつなぐヒトとモノ-」
京都大学大学院文学研究科 教授 泉 拓良
京大へのエジプト資料寄贈が始まった明治42(1909)年、日本で初めての考古学講座を作るため、京大に濱田耕作が赴任しました。濱田はここでペトリ―の研究に触れ、後に彼のいるロンドン大学に留学し近代的な考古学を学びました。考古学での欧州と日本とをつなぐヒトのつながりです。また、初期の寄贈品にナウクラティス遺跡やダフネ―遺跡出土資料があります。これはエジプトにあって希少なギリシア植民都市の資料であり、地中海の主役がエジプト文明からギリシア文明へと変遷する過程をしるための貴重なモノなのです。
◎12月3日(土曜日)13時30分~16時
「古代エジプト・コプト織物の手仕事の技」
日本学術振興会特別研究員 東村純子
古代エジプトのコプト織物は、ローマ属領時代以降に発達したつづれ技法で、花や人物などの文様を織り出してつくる。つづれ技法は世界各地にみられるが、コプト織物では、白い光沢のある亜麻糸と色に染まりやすい、やわらかな毛糸を巧みに使い分ける。そこには地中海沿岸の人々の糸紡ぎや染め、布づくりの知恵が活かされている。コプト織物の顕微鏡観察からみえてきた、古代エジプト人の手仕事の技について解説する。
◎12月10日(土曜日)13時30分~16時
「よみがえる古代エジプト人:アビドス人骨かく語りき」
京都大学名誉教授 片山一道
アビドス387号墓から出土した約5000年前の人骨は、当時のエジプト人の人物像を探るべく非常に貴重な学術資料であり、このたびの展示の目玉の一つである。この人骨を残した人物の等身大の姿、性別や死亡年齢、顔立ちや体形のことを明かしてくれるばかりか、生前の病気や怪我、生業に関わる事柄、食物内容などについても語りかけてくれるのだ。この人物のことを紹介するとともに、古人骨研究のエッセンスについて、お話ししたい。
会場
京都大学総合博物館
定員
80名(応募者多数の場合は抽選)
受講料
6,200円
※全講義を通しての受講料です。受講決定通知後に受講料を振込み願います。納められた受講料は返金できません。
申込方法
官製はがき・電子メール・FAXでお申し込みください。
【官製はがきの場合】
(1)「公開講座申込」の旨(2)住所(3)電話番号(4)氏名(ふりがな)(5)年齢(6)職業を明記のうえ、下記宛先にお申し込みください。
【電子メール・FAXでの申込】
(1)件名を「公開講座申込」とし、上記(2)~(6)を明記のうえ、下記宛先に送信してください。
※申し込みは1人1通とし、複数の申し込みは無効とします。受講申込の受付採否は後日お知らせします。
※今回取得した個人情報は、京都大学総合博物館にかかる関連行事以外の目的で使用することはありません。
申込締切
定員に達し次第、締切とさせていただきます。
2011年10月25日(火曜日)
※ただし、定員に達しない場合、締切後も申込を受け付けます。
申込・問い合せ先
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
京都大学総合博物館
[TEL] 075-753-3272
[FAX] 075-753-3277
[申込用アドレス]koukai*inet.museum.kyoto-u.ac.jp
(「*」を「@」に変えてください)