貝原益軒没後三百年記念
「学ぶ楽しみを多くの人にー益軒と京書肆柳枝軒」
人間はどうすれば環境と美しくあやなし輝きつづけられるのか ― 十八世紀のはじめ、貝原益軒は思いをめぐらせました。その考えは、国境が閉ざされ資源も限られた日本の安定に寄与しただけでなく、いま、地球規模で生類万物の調和ある共存が切に求められるほどに、ふたたび光を放とうとしております。
益軒の学びは京都ではぐくまれました。そして、大事なことはできるだけ平仮名で、との志しを共有したのが柳枝軒でした。両者は都の文運を新たにしました。このたび、その事跡を伝える文物を展示し、学ぶということをともに考えたく存じます。
主催:京都大学総合博物館・京都大学附属図書館
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見どころ
柳枝軒小川家は近代に東京へ移り、関東大震災に遭いながらも、益軒ゆかりの文物をいくつか守り伝えました。益軒自作と伝える寿像をはじめ、同家の過去帳「年回早繰簿」も注目されます。そこには、益軒や水戸黄門、面山瑞方なども恩人として、歴代法名の前に掲げております。いずれも初公開です。
また、蒲生君平書「柳枝軒記」は、1897年に京都国立博物館開館記念展に出陳されて以来の展示となります。
この他、本展では、江戸時代の学びの豊かさを伝える数々の書籍や文書を出陳します。たとえば、次のようなものです
―「大日本史編纂記録」(京都大学蔵)/『大嘗会便蒙』(個人蔵)/『寒山詩闡堤記聞』(花園大学蔵)/益軒自筆の柳枝軒宛書状(個人蔵)/「河内国日下村庄屋日記」(京都大学蔵)
講演会
※開場時間および定員を追加しました。(2014年7月24日)
日時:2014年8月9日(土)13時30分~15時(13時開場)
場所:京都大学附属図書館3階 ライブラリーホール
定員:100名(先着順)
内容:横田冬彦(京都大学文学研究科教授)「益軒と柳枝軒-もう一つの書物文化の誕生」
横山俊夫(京都大学名誉教授・滋賀大学理事)「この展覧会の見どころ」
特別ゲスト:小川三郎(平成柳枝軒)
ギャラリートーク
※ギャラリートークの開催が決まりましたので追記しました。(2014年8月8日)
ギャラリートーク(展示解説)を開催します。
夏休みのひと時、学ぶ楽しみを一緒に考えませんか。
日時:8月16日(土)14:00-14:30
案内者:横山俊夫(京都大学名誉教授・滋賀大学理事)
日時:8月23日(土)14:00-14:30
案内者:横山俊夫(京都大学名誉教授・滋賀大学理事)、岩崎奈緒子(京都大学総合博物館教授)