開催期間:
平成25年度 秋季特別展
西田幾多郎遺墨展
ー黙より出でて黙に帰すー
西田幾多郎(1870-1945)は日本近代哲学の礎を築いた哲学者であり、長年にわたって京都大学文学部の哲学講座を担当し、多くの弟子を育てました。哲学だけでなく、芸術の分野にも深い関心を寄せ、自ら多くの短歌や漢詩、書を残しています。西田が残した書は、その人柄や境涯が生き生きと表現された、気韻を感じさせるものです。また、みずみずしく自由に躍動する筆致もその特徴の一つです。芸術作品としても高い価値を有しますが、同時に、西田の思想をも色濃く映しています。その思想を理解する上でも重要な手がかりになるものです。
これまで御子孫のところに残されていた百点を超える墨跡が、このたびそのご厚意により、京都大学文書館に寄贈されることとなりました。これまで知られていなかった墨跡をも含むこのコレクションは、表装されず、そのままの形で保存されてきました。それだけに、西田の生彩あふれる筆致をそのまま伝える、貴重な資料群といえます。
今回、広く多くの方々に、ぜひ西田幾多郎の、あるときは無心で洒脱な、あるときは雄勁で高峻な筆のおもむきを味わっていただきたいと考え、このコレクションの一部を展示することにいたしました。西田の人格や思想が洗練され、結晶したこれらの書に触れていただければ幸いです。
※画像をクリックしていただくと、チラシをダウンロードできます。
関連講演会
藤田正勝(総合生存学館教授)「西田幾多郎の書」
日時 2013年11月2日(土)14:00~16:00
場所 京都大学総合博物館 本館3階講演室