企画展・特別展

2022年度特別展 文化財発掘Ⅸ「京都白川の巨大土石流 埋もれた先史土砂災害に学ぶ」

開催期間:

2022年度特別展 文化財発掘Ⅸ

京都白川の巨大土石流

埋もれた先史土砂災害に学ぶ

会期:2023年3月15日(水)~5月14日(日)

 京都大学総合博物館の特別展「文化財発掘」は、京都大学の構内に所在する遺跡の調査・研究成果を紹介する企画です。過去8回は、文化財たる人工物や構造物、そしてそれらを生み出した昔の人びとに焦点を当ててきましたが、今年は、そうした人びとの暮らしを変貌させる災害的自然現象に注目します。

 約二四〇〇年前の弥生時代、白川の巨大土石流が現在の京都大学構内の一帯を襲い、当時の水田が埋没しました。堆積物の解析によって、大雨によると思われる氾濫の後に、巨礫をともなった大量のマサ(花崗岩が風化した砂)の土石流が発生したことがわかっていますが、考古学的には一瞬の出来事でした。その中の巨礫は、千年以上後に一帯の開発が進む中でも時おり姿を見せ、開削道路で通行の妨げになっていたものもあれば、掘り出されて利用されたと思われるものもあります。

 今回の展示では、大学の埋蔵文化財調査組織の利点を活かしたこの白川弥生土石流の性格に迫る研究の成果を紹介しながら、土石流の前後の社会の変化や、白川の土砂堆積物と京都の文化との関係にも目を向けます。想像もつかない大規模土石流が生活環境を一変させていたという自然の凄まじさと、知る由もなかった大昔の土砂災害痕跡が文化や暮らしの中に取り込まれていたという歴史の歩み。足もとの遺跡の調査成果を通してご確認ください。

画像をクリックするとチラシのPDFをご覧いただけます

主催:京都大学総合博物館

   京都大学大学院文学研究科附属文化遺産学・人文知連携センター